The Rise of Cricket

[Today's Story]


クリケットが巨大市場になろうとしている。
今月18日、インドでIPL(Indian Premier League)が開幕した。
インドや世界の有名企業がスポンサーになった。
クリケットが大人気の国々(旧英国領)では、もちろん試合が放送される。


まさにサッカー・ビジネスを追いかけている。
「サッカー人気をその内超える」と言う人もいる。


日本ではあまり聞かないクリケット
戦後アメリカの植民地になった。
戦前に野球は日本で既に人気だったし、野球道という日本独自のものまでに発展していた。
そこにベースボール大国アメリカの軍人が駐留したことが、
日本の野球人気を確立させた。


しかし、日本やアメリカなど以外の国々でクリケットは超人気スポーツ。
イギリスやスリランカ、インド、オーストラリアなどの旧英国領の国々だ。
また、驚いたことに、中国や北朝鮮でも行われている。
中国在留の英国人チームが平壌で試合を行うというニュースも先日あった。


ここブリストルでは、公園でクリケットを楽しむ人々を見かけるし、
パブでもクリケットの国際試合を放送している。


階級制度も当然絡んでくる。
サッカーが労働者階級の競技なら、クリケットは上流階級のもの。
イギリスの階級制度について学びたいならクリケットを勉強しろと友人に言われた。


まだ詳しくは知らないが、試合の様子を見れば何となくわかる。
試合は長時間に渡るし、食事などの休憩時間が挟まれる。
この競技は優雅だ。


インドで開幕したIPL。
この国の目覚しい経済発展を物語っているようだ。


開幕の様子はニュースで報道されたが、凄まじかった。
アメリカのNFLのようにチアリーダーを使った派手なオープニング。
クリケットの優雅なイメージが吹き飛ばされたほどだった。
競技のエンターテイメント化が図られている。


Twenty20というルールもそうだろう。
まだ完全に理解していないが、
これは試合時間を大幅に短縮するための試合形式だろう。


派手なオープニングを飾ったIPL。
しかし、一方で様々な問題を抱えている。


英国クリケット協会と選手たちとの間ではIPLに関わる問題が噴出している。


サッカー選手並みの高額な給料がIPLで得られるから、
多くの選手たちはインドでプレーしたい。
イギリスのクリケットが空洞化する恐れがある。


先日、インドのターター社が英国ジャガー社を買収したようなことが、
クリケットでも起きている。


また、インドは貧富の格差が激しい。
IPLに投資される巨額なお金を貧しい人々のために使うべきとの声もある。


そして、クリケットのゲームが変わる。
ビジネス化したスポーツは、利益を生む一方で、競技の本質をかえる。
儲け主義がゲームを支配する恐れもある。


クリケットがさらに発展することは素晴らしいことだ。
今はそれをしっかり見守るべきだろう。


Ryo2412