the Politics of Transfer

Why too selfish professional footballers should be restricted.


ポルトガル代表クリスティアーノ・ロナウドが先日、
「自分は奴隷だ」と発言した。
現在、ヨーロッパ王者のマンチェスターユナイテッドに所属する23歳のスターは、
「夢」であるレアル・マドリードへ移籍したい。
しかし、未だ決定的な進展が伝えられていない状況に、彼は不満を示した。


奴隷発言は、FIFA会長ブラッター氏のロナウドへの同情の後に出た。
ブラッター氏は、ロナウドの自由を尊重すべきと主張。
つまり、彼はレアル移籍を支援している。
FIFA会長自身もレアルの名誉会員の1人で、レアル監督と仲が良い。


ロナウドはほぼ完ぺきな選手だろう。
昨シーズンは、チームをプレミアリーグチャンピオンズリーグ制覇に導いた。
個人よがりだったプレーも改善。チームに貢献した。
またサッカーに対しての情熱は絶やさず、感情をよく表に表す。


しかし、レアル移籍の話が浮上した6月頃から彼のイメージは悪くなったかもしれない。
確かに彼はユナイテッドで大きな仕事を成し遂げた。
次のステップを取るには良い機会かもしれない。
ただ、まず、ヨーロッパ一のクラブを去る必要があるのか?
ユナイテッドは彼を育て、先日は彼の足首の手術まで行った。
そして「夢」と言ったことで、彼がこれ以上マンUに献身的でないことがわかった。
ファンは残念に思う。


ロナウドは23歳。
野望に燃える若者。まさに「Boys, be ambitious!」。
スペインという土地・文化に惹かれているのかもしれない。
そこでの生活はかけがえのない経験となるだろう。


一方で、オーストラリア代表のハリー・キューウェルがトルコのガルタサライへ移籍した。
イタリアやスペインのクラブからオファーがあったそうだが、
彼はトルコという東西文化の混在する街を選んだ。
「たくさん勉強したい」と移籍発表の際に言ったキューウェル


しかし、この移籍は彼のイメージを決定的に下げた。
2000年、UEFA杯準決勝で、当時彼が所属していたリーズがガラタサライとアウェーで対戦。
しかし、リーズサポーター2名がガラタサライの一部ファンに殺された。
このような背景から、今回の彼の移籍は、リーズファンを激怒させた。
キューウェル自身はこれを否定し、2チームの関係改善のきっかけになると言っている。
2003年、彼はリヴァプールへ移籍。
彼の「夢」が叶ったが、移籍は議論を呼んだ。代理人に不当な金が渡ったという疑いだ。
不幸にも、キューウェルリヴァプールでの5年間は度重なるケガで期待外れに終わった。


ガラタサライ移籍はどんな意味を持つのだろうか?
これは現実的な判断かもしれない。
30歳目前のキューウェルはかつての高速ドリブルを失った。
キャプテンを任されているオーストラリア代表は、ワールドカップ最終予選を控えている。
復調するには、常時プレーする必要がなる。


ロナウドの舞台はここまでプレミアリーグ
キューウェルもそうだ。そのイギリスでは、現在選手の移籍を巡る事件の調査がこの2年間、検察官によって進んでいる。高額な選手給料と代理人に渡る不透明な報酬は、「bung culture」と言われている。
昨シーズンFAカップを制したポーツマスハリー・レドナップ監督は、容疑者7人の内の1人。
イングランド代表リオ・ファーディナンドが2001年にウエストハムからリーズへ移籍した時も、
彼の代理人レドナップ氏の関係が怪しかった。


ロナウドキューウェルの移籍は怪しいかもしれない。
だが、これは彼らだけの問題ではない。サッカー界に蔓延った厄介なものだ。
ただ、なぜ週給£120,000の5年契約を2007年にロナウドはユナイテッドと結んだのか?
ビジネスでは、契約を履行すべきではないのか?
これで「奴隷」と自分を表現するのは、試合中のダイビングより卑怯ではないだろうか。
しかし、これも彼だけがやっているわけではない。現在は、チームより選手の方が力が上になっているからだ。
アーセナルベンゲル監督は、3年契約の選手が大抵2年で移籍し契約更新がなされないと、
契約問題へ競輪を鳴らしている。
ペレとゴードン・バンクス氏は、ロナウド移籍問題に疑問を投げかけている。


この問題の改善が求められるのではないだろうか。
透明性を高くし、選手の移籍にある程度のラインが必要ではないか。
サッカーに「正義」と「公平さ」を取り戻すためだからだ。
これは難しいだろう。大方のプロ選手や監督は反対するかもしれない。
だが、意外に賛同する声があるかもしれない。


Ryo2412