World Traveller’s Strong Passion on Football

Mr. Nakata is serious about the environmental issue, but football matters more to him.


梅雨はじめっとして、暑い。だがサッカーは、すがすがしく、もっと熱い。
ワールドカップ最終予選に日本は参加できるだろうか?
アジア3次予選リーグで日本はバーレーンに次ぐ2位。
EURO2008も始まり、ヨーロッパではしばらく熱戦が続く。
世界の視線を集めるポルトガル代表のCristiano Ronaldoはチームを優勝に導けるのだろうか?


Ronaldoは感情を表によく表す。試合中のパフォーマンスは自己表現の一つ。
マジシャンのようなスキルは、昨シーズンRomeの選手から顰蹙を買った。
しかし、Manchester UnitedのFerguson監督は、「自己表現」とわが選手を擁護。
PKを外して泣いたりもするが、サッカーが大好きなことが伝わってくる。


日本の大久保も感情的なプレーヤーだ。
先日のオマーン戦で退場。相手GKを蹴り飛ばしたのは退場に値する行為だ。
スペインリーグのマジョルカに在籍していた時、Rマドリーとの試合では、
相手選手に怯まずに頑張っていた。
大久保も、ヴィッセル神戸のキャプテンに任命されてから、改善している。


ロナウドも大久保も熱さが伝わってくる選手だ。
サッカーへの情熱がわかりやすく表れている。
チャリティーマッチも、何かを助けるという熱い気持ちから生まれる。
元サッカー選手で現在旅人の中田英寿氏は、世界の貧困や環境問題に力を入れている。


中田氏は6月7日にTAKE ACTION! 2008 『+1 FOOTBALL MATCH』を開催した。
環境問題への取り組みを促すためだ。
モウリーニョ監督やセードルフダービッツ北沢豪、釜本監督などの豪華な顔ぶれに、
日産スタジアムに集まった6万3143人のファンは楽しい時間を過ごした。


中田氏もこの試合のために一生懸命頑張った。
湘南ベルマーレで事前に練習をしていたし、
観客や招待した選手たちが楽しい時間を過ごせるよう様々な配慮をしたことだろう。
モウリーニョ監督や、セードルフなど、現在もトップで活躍する人々を
6月の日本へ呼んだことは、彼にしかできない。


試合は大成功を収めたといえるだろう。
様々な企業の協賛を得たし、スタジアムはほぼ満員、テレビ放送もされ、観客も楽しめた。
そして何より中田本人が最も楽しんでいたようだった。
「正直もう少しいいプレーができると思ったので、その点は物足りない。」(毎日新聞08年6月8日付)
そう語った通り、悔いが残ったのだろう。
後半終盤のボレーシュートはボールを捉えきれず、的を大きく外した。
しかし、本人は笑みをこぼした。
前半のエムボマのFKをハンドで止めてしまった時も、笑顔で彼に謝った。


みんな楽しかった。W杯アジア予選やEUROとは違う。
中田氏は素晴らしいことをしたし、本人も言うように、このような活動を続けていかなくてはならない。


しかし、環境問題キャンペーンの一環として行われたこの試合は、
楽し過ぎて、おちゃらけた試合にもなった。
釜本監督がピッチに登場した時、最低限守るべき真面目さのラインを下回った。
メラメラと燃える情熱が萎えた。
環境問題の存在はほぼ消え、エンタメに終わったし、
環境問題に取り組むスポンサーの広告にもなった。
この試合の意義がわからなくなったのだ。


中田氏は環境問題に真面目に取り組み、この試合を主催した。
環境問題が深刻であると旅をして気付いたのだろう。
この問題に真剣に取り組む多くの人々に世界各国で出会ったはずだ。
自分ができることを行う中田氏は素晴らしい。
環境問題は深刻的に真面目な問題だが、この試合で一番サッカーを楽しんでいたのは中田氏だった。


Ryo2412