China may be in a dilemma.

[Today's Story]


8月に北京オリンピックを開催する中国。
だが、欧米諸国の中国に対する批判が高まっている。


その1つの原因は「ダルフール紛争」である。
中国政府は、スーダン政府と石油と引き換えに武器を供給している。
スーダンは、国連などが支援する非アラブ民族の敵である。


先日、映画監督のスピルバーグ氏が北京五輪芸術組織委員会の要請を断った。
またノーベル賞受賞者と国際的に有名なアスリートたちが中国政府に、
スーダンへの支援をやめるようにと書簡で訴えた。
http://www.independent.co.uk/news/world/asia/in-olympic-year-china-urged-to-use-its-influence-in-darfur-782011.html
イギリスの陸上連盟も、選手の政治的コメントに関する条約を見直すだろう。
最悪の場合、欧米諸国の北京五輪ボイコットもあり得る。


だが、中国は世界経済の中心となっている。
中国企業は躍進している。
2007年には、株式の時価総額において世界の大企業6社の中の3社が中国企業だった。


スーダンには中国の国営石油会社PetroChinaがある。
中国が石油資源を確保したいのは当然だが、それは世界経済を支える点でも大切だろう。
中国の発展が止まれば、世界中にその影響が及ばれるからだ。


今まで石油はドルで売られていたが、中東諸国はユーロで売り出そうと考えている。
もはやアメリカの力は落ちている(一方で、ロシアの存在が高まっている)。
そうすると、アメリカなどの欧米諸国もアフリカに眠る資源確保に必死であると考えられる。


北京五輪を成功させて生まれる利益は、経済発展で生まれる利益と同じくらいあるだろう。
国のイメージをあげるには絶好の機会。スポンサーも潤うだろう。
しかし、ボイコットは北京五輪の価値を下げる。


紛争は一刻も早く終わるべきだ。これ以上の犠牲は許されない。
オリンピックもまた成功されるべきだ。ボイコットなど見たくない。
しかし、それには中国と欧米諸国との「協力」が必要だ。


石油に代わる代替資源の登場が一刻も早く待たれる。
近代の数々の戦争や紛争の原因は石油だからだ。
また二酸化炭素を生み出している最大の要因でもある。
人類の石油依存も重大な課題だ。


石油確保とオリンピックという2つの成功を収めたい中国。
平和のためにも、中国の利益のためにも、
オリンピックを成功させ、ダルフール紛争を終わらせることが一番だろう。
「妥協」が中国にとって最善な選択かもしれない。


Ryo2412